2012-05-16 Wed
皆さま、こんばんは。久しぶりの更新です。
先日は母の日でした。娘は今年もカーネーションとカスミソウの花束をくれました。
小銭を握りしめ、こっそり買った一本の真っ赤なカーネーションを、照れながら目を輝かせてワタクシに渡してくれた5歳の幼子はずいぶん大きくなりました。毎年少しずつ本数が多くなり今年は10本ありました。嬉しかったな・・・。
ワタクシはと言うと・・・恥ずかしながら今年も何も贈らず。
かろうじて日付けが変わる直前に感謝のメールだけ贈りました。
私くらいの年になってくると、そろそろ両親の介護であったり、辛い別れであったり・・・。
そんなことを思っている矢先、幼馴染のお母さまが急にお亡くなりになったという知らせが。和歌山という遠くの地にいるため、ここぞというときに何の手助けも出来ない歯がゆさを感じます。
その他にも、子育てや仕事を抱えながら一生懸命両親に寄り添う友だちもいます。
介護とは本当に難しいものです。
体力、そして何より気力の限界。元気なときを知る肉親であるからこそ想像以上に厳しく辛い日々でしょう。
私も近い将来そんな試練が待っているだろうと、自分自身への戒めも込めて、最近とても感動したこの文章を皆々さまに贈ります。決して美辞麗句ではないと思ってくださると信じて。
{母から娘への手紙}
私のかわいい娘へ。
私が老いていることに気付いたときには、落ち着いて受けとめてね。
何より、私が直面している状態を理解しようとしてほしい。
話をしているときに私が同じ話を何回も繰り返したら、
「さっき同じこと言ったじゃない」なんて言って遮らずに、ただ耳を傾けていて。
幼いあなたが眠りに落ちるまで、私は幾夜も幾夜も同じ物語を読み聞かせたわ。
私がお風呂に入りたくないと駄々をこねても、怒って私を責めないで。
あなたが小さな女の子だったころ、言い訳をして逃げ回るあなたを追いかけて
お風呂に入らせなければならなかったことを思い出して。
新しいものに対して私が無知であることに気付いたときは、
そんな目で見ないで、ゆっくり時間をかけて覚えさせて。
覚えてるかしら、私があなたにたくさんのことを教えてあげたこと。
正しい食べ方、お洋服の着方、髪のとかし方、そして毎日ぶつかる人生の壁との向き合い方まで、ね。
私が老いていることに気付いたときには、落ち着いて受けとめてね。
何より、私が直面している状態を理解しようとしてほしい。
私が何を話していたか分からなくなってしまったときは、思い出す時間をちょうだい。
そして、もし思い出せなくても、心配したり、いらいらしたり、馬鹿にしたりしないで。
私にとって何よりも大切なことはあなたと一緒にいることだということを分かってね。
私が年老いて、以前のように歩けなくなったときは、やさしく手をとって。
あなたが初めて歩いたときに、私がそうしたように。
そんな日がきても、決してさみしいだなんて思わないでね。
私が最期の日を愛情に包まれながら迎えられるように、ただそばにいて。
ともに過ごした時間、ともに過ごすことができた幸せを、あなたに感謝しています。
満面の笑みと、いつ何時も絶やすことのないあなたへの愛とともに伝えさせて。
愛する、私の大切な娘へ。
母の日ってただ単にモノを贈ったり、その日だけの感謝をしたりする日ではないはず。
モノなど欲しくない、母の想いはただひとつ。
ただただ幸せに暮らしてくれていること・・・それ以上は何も望まないですよね。そんな母の想いを受け止め恩返しするのが当然の使命だと思います。そうして連綿と親子の関係は繋がれていくもの。
365日、すべてが母の日です。
心にそっと覚えておきたい手紙ですね。
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