2009-03-04 Wed
皆様、こんばんは。今日は長文ですよ。
ワタクシは「不公平」がキライです。
昔からそう。
性格的に曲がったことが許せないタイプです。
でも、お客様に対してもそう。
すべてのお客様に平等に楽しい時間をお過ごしいただきたい。
関西には「ごね得」という言葉があります。
他愛のないわがままなら「ハイハイ。ど~ぞ」と笑ってお相手できますが、もちろんそういうお客様ばかりではありません。
どう考えてもウチが悪くないよな~ということもしばしば・・・。
怒り心頭(もしくは怒っている演技をする)のお客様は、何かに付けてこちらの言葉尻をつかまえることに必死になり、揚げ足ばかり取るため、まっとうにお話など出来ません。ヘタに喋るとエライことになります。ワタクシもいろいろな修羅場を経て、{ひと言でもこちら側の意見を述べたくらいならまさに火に油で収拾のつかない大火事になる}と知り、とってもおりこうさんになりました。
だからこちらが悪くないことにも事態収拾のため、ただひたすらお詫びのみです。
いいお客様に恵まれて毎日幸せなのですが、中には不条理さにどうしても納得のいかないこともあるのです。
でも・・・この間のお客さんはヒドかったな・・・
ある朝、女湯に男の方が間違って入っておられた。
そこに衣服を脱いだ女性(年は20代)が入った。女性は驚愕して飛び出した。
そこに運悪く居合わせたお掃除のおばちゃんスタッフが「こういうことはよくあります」と言っちゃった。
ほんまのところは“よく”はないのよ。“たまに”ある、だけよ。
おばちゃんスタッフも、気が軽くなるように慰めの意味で良かれと思って言ったのよね。
「そんなこと、口が裂けても言うたらあかん!!」
叱り飛ばしましたが、後の祭り。
案の定、その言葉に噛み付いてこられました。
「よくあるってどういうことですか?!そんなによくあることなら旅館としての対策が不十分だからじゃないですか?」と号泣しきり。
え~ん。泣きたいのはこっちですよ。
だってそんなん、防ぎようがないやないですか?お年寄りなんて特に。
「朝と夜と男女入れ替わり、暖簾も変わりますからご注意くださいね」ってきちんと説明もしておりますし・・・してないんやったらウチが悪いけど。
これはある種「事故」ですよね?信号機だって標識だって、きちんと整備しても交通事故は日々起こります。それと一緒。
いつもスタッフを張り付かせて風呂屋の番台のようなわけにもいきません。
同じ女性としてお気持ちはわかりますが、旅館で起こるすべてのことを、こちらの責任にされるのは本当に困ります。
モチロンワタクシも専務もすぐにお部屋にお詫びに上がりました。
あれこれとりなしてもスタッフが代わる代わるお詫びに伺ってもムダ・・・。
彼氏も悲壮感いっぱいの彼女と一緒になって責め立てる。
「せっかくの楽しい旅行がこれで台無しになった。どうしてくれる?時間を返せ。誠意をみせろ。」
クレーマーはすべて、コレをおっしゃいます。
「いやぁ、旅の思い出をお作りになるのはお客様ご自身ですから。責任の一端はありますが、私たちは所詮お手伝いでしかありません。ご自分の気持ちの切り替え次第で残りのお時間挽回されては・・・」とは言えず。
そんな物分りのいいお客様のわけがない。そんなこと言ったくらいなら・・・考えるだけで恐ろしい。
「この日のために会社を休んできた」「こんなことならこの旅館を選ばなかった」、今さらどうしようもない、更にはウチとは関係のないことを延々とおっしゃる。
そのつどワタクシの大脳は音を立てて、最善の方法を模索する。
でも、ショックのあまり朝食はのども通らないのかと思いきや、なんのなんのぺロっと平らげられました。サービスでお出ししたコーヒーも全部。
そして、全くお金を払う意思を示さず(結局、一円もいただけませんでしたが)帰られました。
これって・・・どうなのかしら?
以上、ネットエージェントからご予約のお客様のお話です。
ワタクシはネット予約だからと言って口コミの恐ろしさから他のお客様と差別化するとか、そんなん大嫌いですから。
多くの旅館さんでは口コミのために、よく出来るサービス係りを付けたり食事を良くしたり“えこひいき”をしているのが常らしいです。
でも、そんなことしていると、ほころびから大穴が開きますよ。決まってます。気は心・・・見ているヒトは見ています。
ワタクシはどんな予約形態のお客様であっても平等に喜んでいただきたい。
いい部屋が空いていれば通常のお料金でアップグレードしておりますし、何度もお越しいただく方にこそ、より良いサービスでもてなしたいと思います。
人として、ダメなことはダメと言えたらどんなにか楽か。
旅館のオツトメは理不尽がいっぱいで、ときどき息苦しくなります。
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