2013-09-08 Sun
皆さま、こんにちは。毎年どうなることかと心配する8月、なんとか無事に終わり、穏やかな日常のなかこころ和やかに毎日を過ごしております。
しかし当然のことながら、こまごまとしたトラブルはありました。
一昔前のように「おかみを呼べ!」とすごい剣幕のお客さまを前にお詫びするシーンは本当に減りました。
それでも、接客業の難しさは年を追うごとに深く濃くなり、いつまでも決してなくなることなどないのだと今更ながら思います。
何故なら、人と接するという事柄そのものが自分を映す鏡である以上、未熟さとの闘いから逃れることなどできないのです。
じつは今日も朝からお詫びすることがありました。
ほんの少しの気の緩みからすべてが台無しに。
少しでも残念な思いでお帰りになるお客さまの心情をお察しすると情けなさで涙すら出てきます。
いくらお料理が美味しくても温泉が良くてもなにもかもが無駄になってしまう恐ろしさ、接客業とは100-1=0なのです。
この仕事に就いて17年経つ私ですが、当時は理不尽だと思えることも含めどうしても忘れることが出来ない出来事が少なからずあります。
それでもやはり根底には私の至らなさから来るものなのだと、40歳も半ばになった今では謙虚に振り返ることができるようになりました。
決して話し上手とは言えず、気の利くほうでもない、本来人と接することに向いている性格ではない人間がこの場に遣わされているということは意味があってのことなのだと。
これまで暗闇で右往左往してどうしても突破できない自分の壁を、あるお世話になっている方に涙ながらに相談したことも何度かあります。
そのときに仰っていただいたのは
「おかみ、そのままでいいのです。話し上手が接客上手だと誰が言いましたか?おかみを見てその後ろにある数々の苦労や豊かな経験を感じてお客さまは癒されて元気になるのです」というありがたい言葉。救われました。
おかみの仕事はある意味広告塔であると思っておりますし、それと同様に接客とは自分自身が商売道具、そうスタッフたちによく話します。
ということは、個人個人が人間性を磨かなければ良いおもてなしなど出来るはずがないわけです。
美しいものを美しいと感じ、いいものには素直に感動し、常にひとつ前を目指して学び吸収しようとする心が必要です。
お客さまは一人として同じ方はいらっしゃいません。
マニュアルどおりを素晴らしいと感じる人もいれば冷たくて慇懃無礼だと感じる人もいる。
自分を磨いてこそそんな十人十色のお客様にもベストの対応ができるというもの。
そして、それは接客業の醍醐味でもあります。
その人の立場や要望に合わせたおもてなしができてこそ、おのずと接客の楽しみに気づくことができます。
よくディズニーランドの接客が例に挙げられますが、感動したい癒されたいとの思いを持っていらっしゃるお客さまと接するには自分自身のテンションをほんの半歩上げておくことも必要。
なかにはわがままを言うお客さまもいるでしょう。
でもお客さまあっての私たち。
どうして喜んでもらおうか、思い出に残る旅にしてもらおうか、その喜びに気付けない人ほど頭を下げることが下手だということは忘れてはならないでしょう。
ついつい日常の業務になってしまいがちな接客業。
人間ですもの、体調や私事のいかんでモチベーションを維持するのが大変なときもあります。
でもお客さまに限らず、人はひとと関わる中で生きさせてもらっているもの。
謙虚さの裏側に感動があります。
奢りはないか?謙虚さはなくしてないか?自問自答しながら常にありたいものです。
そして、ただただ柔らかくしなやかに。
決まった日常がないからこそ接客は難しい、でもだからこそ面白い。
まだまだ一緒に修行の道を歩んで行けたらと思います。
なんだか・・・とりとめのない日記でごめんなさい(^_^;)
TOP PAGE △