2009-11-27 Fri
皆さま、こんばんは。
娘の発熱で、、、私が小学生のときのある出来事をお話します。
まずは、断っておきましょう。私、子供のときはとてもシャイでした。笑
小学校3年生のときの冬、インフルエンザだったのかは定かではありませんが、クラスメートが次々と体調が悪いと言い出し早退したことがありました。
私も朝から体調が悪く少し熱っぽかったのですが、子供心に少しばかり体調が悪くてもそう簡単に学校は休んではいけないもの、と頑張って普段どおりに登校しました。
そのときの担任は2年生から2年連続で受け持ってくれた、ベテランのとても優秀な女の先生。みんなこの先生のことが大好きでした。
話をするのがとりわけ上手く、授業以外に「百の話」という百という犬の物語をいつもしてくれるのです。その話術は本当に素晴らしかった。
私たちはことあるごとに「先生、百の話をして!」とリクエストし、先生はいつでも笑いながらそれに応えてくれました。今思えばおそらくそんな物語はこの世のどこにも存在しないのですが、それをまるで本を丸暗記したかのように、面白おかしく少しも飽きさせることなく流暢に話されるのです。
みんなわくわくしながら身を乗り出して聞いたものです。
さて、その日は結局6~7人の子供が帰って行ったと思います。
私も朝より熱が上がっているのが自分でわかり、迷った挙句勇気を出して先生のところに言いに行きました。
「先生、私も熱があるみたいなので帰ってもいいですか?」
大好きな先生の顔がその瞬間、悲しそうに曇ったのが見て取れました。
「わかりました。気をつけて帰りなさいね」
と先生が言ったかどうか、先生の声はまったく耳に入りませんでした。
結局家に帰らず、というよりも帰ることができなかった。
なぜなら先生を悲しませたくなかったから。
放課後熱が上がってボーっとしている私を見つけて、先生はとても驚かれました。
「なんで帰らんかったん?」
尋ねられたとたん私はそれまでの我慢が堰をきったように大きな声で泣き出しました。
ぐるぐる回っている複雑な胸の内を言葉にできず、ただただしゃくり上げていました。
すると、しばらくして先生はすべてを理解してくれたのでしょう、私の背中をさすり頭を撫でてくれながら
「あほやなぁ。ごめんね、先生が悪かった」
とちょっと涙声で言われました。
ピュアな子供の頃の少し恥ずかしい思い出です。
風邪引きで子供たちが学校から早退してくると、決まって懐かしく思い出します。
すると、そのときの切なさがよみがえってくると同時に、真っ直ぐで純粋だった子供の自分をとてもいとおしく抱きしめてあげたい気持ちになるのです。
どこでどう間違ったか、こんなふうになっちゃいましたけど。笑
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