2008-02-19 Tue
皆様、こんばんは。今日は、お風呂の話。
当館の大浴場は、HPをご覧頂くとおわかりいただけますが最上階の5階にございます。
ただ建物の目の前が大海原、だったら言うことなしなのですが、そうではない為やむを得ずすだれで目隠しをしております。
これが、お客様には不評なのですよね~。重々わかってますとも、もちろん全部取り払った方が眺めがいいに決まってます。
でもね、中から見えるということはよ~く目を凝らせば外からも見えるということ。ヘタしたら望遠鏡など持ち出すガッツ溢れる輩が増えるかもしれない。男性の常連様がドッと増えるやもしれない。
釣りのメッカが覗きのメッカになっちゃったらそれこそ一大事です。
「外から丸見えのようで入れなかった」当然こちらのクレームの方が、より一層ややこしいのは想像しなくてもわかります。
結構、自分が思うほど人は他人のことなど考えちゃいないんですけどね。自分のことで精一杯でそんなにヒマじゃない。
そういえば数年前の話。もう時効だから書いてもいいかな?
70歳くらいの男性のお客様が間違えて女性風呂に入られる事件がありました。
これはおそらく他の旅館さんでもそんなに珍しいことではないと思います。よくあるといっては語弊がありますが。
その男性様、脱衣室に入った時点で運が悪いことに1人も先客が無く貸切状態だったため、そのまま気付かずにゆったりと湯船に浸かり、いい気分でお風呂を出て脱衣所に戻られました。
そこで、また誰もいなければそのままめでたしめでたしで白日の下にはならなかったのですが、やはりそうはいかないのが私の試練です。
ちょうど今から入ろうと全裸になった20代前半の女性と鉢合わせされたのです。
もちろん女性も男性もびっくり、女性にいたっては震えるほど恐怖を感じたとのこと。(ご本人談)
それからです。大変だったのは。
「心痛はお察し致します。ですが先方も決して故意ではなく事故に遭われたと、どうかお許しください」といくら説明してもなだめても女性の怒りは治まらず、ほとんど半狂乱で手がつけられない。
「旅館としてあんな変態を泊めてもいいのか、お宅はそんな姿勢の旅館なのか」
「これは完全な犯罪ですから警察を呼んでください」
「どうしても許せないから、あの男性に土下座させて。いややっぱり顔も見たくない」
「同じ屋根の下で過ごすのが我慢できないから追い出して」
などなど、約2時間も!本当に困りました。ご一緒にいらしてた彼氏も最初は彼女と一緒に怒りで紅潮されてましたが、私がゆっくりと話をするうちになだめ出してくださいました。
それでも、許せないの一点張りで最後はお手上げ状態でした。
こうなってくると正直、「ほな、どうせえっちゅうねん!」とちょっとシラケルのが人間です。ま、もちろんそんなことグッと飲み込んで言いませんけどね。
でもね、おそらく親には内緒で彼氏と旅行を楽しんでいるはず、生娘ならいざ知らずそんなに騒ぐほどウブなのか~!!とこれももちろん言いませんけどね。
結局、他の御宿を手配することで、一応は一件落着。
確かに、せっかくのご旅行なのに可哀想ですし、同じ女性としても気持ちは痛いほどわかります。
でも、許す心で気持ちの切り替えができれば、旅を楽しく続ける選択もできたはず。
自ら苦労を背負う人というのは、融通が利かず頑固な方が多いものです。
もっと気楽に生きればいいのに、ちょっとそっちの方が気の毒に思えた事件でした。
あ、また長くなってしもた。
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