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仲居の資質


皆様、こんにちは。

前回号はちょっと怒りモードの内容で失礼を致しました。主人から「おいおい、まあまあ押さえて押さえて」とたしなめられました。実際、私自身「こんなことを書いてもいいのかしら・・?」とさんざん迷いつつも、おそらく皆様方には未知の世界である旅館業の中をできる限り知っていただきたいという思いが勝り、逆に当り障りのない内容なら書く必要などないのではないかと思うのですが・・・皆様、どういう風にご覧頂いてますか?


ところで、おそらく世界中のどこを探しても日本の旅館のような形態の国はないでしょう。旅館というスタイルは日本独自の文化です。そして、接客業全般の中で仲居という職業は一番難しいと言われています。

旅館には様々なお客様がお越しになります。私たちの仕事は滞在時間の中でできる限りのおもてなしをさせていただく事ですが、仲居さんにずっと世話を焼いてもらいたい方もあれば、干渉されるのを嫌う方もありいろいろです。
たいてい人は0.1秒から13秒でその人が自分の好きなタイプか嫌いなタイプであるか、またどのような人であるかを判断するそうですね。

仲居のプロとして一番求められる能力は「空気を読む」事ではないかと思います。
お客様が言葉を発する前にしてさしあげる、お望みであれば出過ぎたサービスをせず必要最小限にとどめる、気の利いた会話をしてさしあげるために日々いろいろな知識を得る努力をすることも最高のサービスに繋がります。
その点では私を筆頭にウチの仲居さんはまだまだ全く力不足です。

「お客様の喜びを自分の喜びとしましょう」よくミーティングで言う言葉です。
基本的なことですが、その簡単なことが一番難しいのです。当たり前のことを当たり前に出来さえすればおのずと最高のおもてなしに結びつくのでしょうが、それは一朝一夕で身につくものではなく、おそらく小さな頃からの一日一日の積み重ねで得られるのだと思います。

最近の私の後悔を一つ聞いてください。先日子供たちと本屋さんに行った時のこと。
その日はとても風の強い日で、私たちが店の中に入ろうと小走りで歩いているとすぐ横に並んでいた自転車が3台ほど風で倒されました。娘が「あ、自転車倒れた」と小さな声で言ったのが聞こえました。いつもなら自転車を起こすだろうに、その日私は娘の声に聞こえなかった振りをして通り過ぎてしまいました。なぜなら、すぐ側にいたご婦人ニ人が「あら、倒れたわ。私らが倒したのと違うで〜。な〜風のせいやし知らんわな〜」と言う声が聞こえたからです。もし私がそこで自転車を元通りにしたらご婦人二人はすごく嫌味にとるのではないだろうかと思ったわけです。電車やバスの中でなかなか席を譲れないときとちょっと似てますね。

どうしてあの時娘と一緒に自転車を元に戻してあげられなかったのか、今でも悔やみます。娘の言葉の中に“自転車なおしてあげなくちゃ”という気持ちが読み取れたにもかかわらずです。自分には関係のないことでも人のためにすることは決して無駄なことではない、逆にとても尊いことであると教えるいいチャンスをみすみす逃がしてしまいました。

例えば道ばたの空き缶は拾って捨ててあげる、トイレに入ってトイレットペーパーがなくなれば次の人のために入れ替えてあげる、それがもう少しでなくなりそうであれば使い切ってまで入れ替えてあげる。自分に関係のないことからは目を逸らしがちですが、いいと思うことを労を惜しまず進んでやる、そんな大切な積み重ねがその人の人格を育て上げるのでしょうね。
他の誰かを常に思う心が人を育てていくのではないかと思います。

私も仲居の皆もすべて基本の”人間性”から学び直さなければ、そう後悔した出来事でした。

えーっと、お知らせです。当館では今、客室の改装工事を行っております。湯船に浸かりながら海や夕陽をご覧いただき、ベッドに寝そべりながらDVDをお楽しみいただけるお部屋や、ボディソニックを備えたお部屋もございます。3月3日おひな祭りの日にリニューアルオープン予定です。
ぜひご予約をお待ち申し上げております!


| hiina | 16:56 | comments (x) | trackback (x) | 徒然なる思い |
和歌山加太の旅館、淡嶋温泉大阪屋ひいなの湯。夕陽の眺めが美しい露天風呂と新鮮な魚料理をお楽しみいただけます。

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若女将の日和見日記 2007年11/3以前はこちら

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