元湯 椿楼

つい3日ほど前、突然親父が「明後日堅田（地元）の祭りなんやけど孫にお神輿見せてあげたいなぁ」なんて呟いてきました。そしてその翌日も帰宅後突如親父から「明日連れて行ってもかまんか？」のメールが。勿論断る理由もないので「いいよ」と返すと直ぐに「ありがとう」と返信が来ました。で、昨日。朝から親父にお袋、おばあちゃんも一緒に息子と4人でお祭りに出掛けていきました。

2時間ほどで帰ってきたでしょうか。息子の手にはドラえもんのお面や大きな空気の入った刀やら色々あります。「これはおじいちゃん」「これはおばあちゃん」「これはおっきいばあちゃん」と息子もルンルンで報告してくれます。その後ろから親父を始め3人が玄関に入ってきました。「このお面1,000円もしたんやでぇ」とお袋から驚きの声が。「だから俺ん時は買ってくれんかったやん」「孫は特別や」なんてやり取り。そんなこんなで一日が過ぎていきました。

そういえば僕が小さい頃は一緒にお祭りに行ったことなんてなかったんじゃないかなぁなんて思っていると夜親父がポツリと「今日はありがとうな」と一言。ホント嬉しかったんでしょうね。「お前等にしてあげられんかったから孫にその分お返しせな」なんて言っていました。そんな親父の嬉しそうな顔を見ているとなんだかこっちまで嬉しくなってきました。

相も変わらず親父と息子は今日も買い物に出掛けて行ってました。もう日課です。仲良く手を繋ぎ出掛けていく親父と息子の後姿を見送るのが僕の最近の日課です。ここ数年大病を患ったりで大変でしたが息子の存在が親父の中でどんどん大きくなってきているのでしょうね。どうか長生きしてください。今まで仕事一筋だった分息子が生まれてからの親父は今まで見た事もないような笑顔を見せてくれてホント楽しそうなんですよ。それを見つつ僕も負けずに頑張らなければと改めて思う今日この頃です。